容疑者 室井慎次
この物語は、
踊る大捜査線のスピンオフとして位置づけられている作品でありますが。この「容疑者 室井慎次」はこれまで、脚本を手がけていた、君塚良一さんが監督もされた作品ということもあり、本広克行さんが監督されていた時のような「踊る大捜査線」のノリや表現はあまり感じられません。
警察組織上層部の権力闘争から生じる多々の問題に対比し、「室井慎次」という頑固で無口ではあるが、権力欲にとらわれない人間としての高潔さをもつ人間像が描かれており、「踊る大捜査線」でないと感じながらも、映画としては、個人的に納得でき、好きになれた映画でした。
ただ、室井さんが容疑者として留置所に拘束されているとき、面会に湾岸警察署の3人組、神田署長、袴田刑事課長、秋山副署長の3名が訪れたときは、一瞬にして「踊る大捜査線」の世界になりました。